生活費の25倍を貯めて完全リタイア、4%ルールは日本でも成り立つのか?

FIRE(Financial Independence Retire Early)、経済的に自立した上での早期退職という考え方が日本でもだいぶ根付いてきたように感じる昨今です。

そしてこのFIREブームの火付け役として、また実現の方法として4%ルールというのがよく紹介されています。

4%ルールとは、生活費の25倍の資産を貯めて年利4%で運用することができれば、働くことなく資産を維持したまま生活費費がまかなえるというものです。

実際に米国の論文でこの4%ルールの再現性の高さが示されてから、一気にFIRE熱が世界中に広がっていきました。

 

ここまでは既に投資をしている人にとってはすでに当たり前の話であり、このFIREを実現するために投資をしているという人も多いと思います。

しかし、4%ルールの再現性の高さが示されたのは米国の話であり、これをそのまま日本でも当てはめてもよいのでしょうか?
もし、そのまま取り入れられないのであれば、何%ルールを適応すればいいのでしょうか?

今回はわれわれ日本人がFIREを達成するために想定すべき運用利回りについて解説していきます!

4%ルールの元になったトリニティ・スタディ自体は退職者の資金を死ぬまでに間に枯渇させることなく最大限活用するためにはという目的の研究であり、インフレ調整後で資産の4%ずつ引き出していっても30年は持つ(資金は減るけど尽きない)という内容でしかありません。よって、日本に限らず米国でも30代の若者が早期退職し、実質4%を引き出してしまうと破綻してしまう可能性もあるということです。米国でもこのように解釈を捻じ曲げられて使われてる気もしますのでご注意ください。

私の記事はFIRE生活者が安定して生活するための運用リターンはどれくらいか、つまり元本を維持したまま半永久的に運用益だけで生活費をまかなうということを前提にしてますので、そこの違いはご了承ください。

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目次

【結論】4%のリターン見積もりは高すぎる!

4%の論拠となる論文を読み込んだわけではありませんが、客観的に見て、われわれ日本人が想定するべき運用利回りとしては年利4%は高すぎると思います。

理由としてはこんな感じでしょうか。

  • ある程度の下振れも考慮
  • 日本と米国のインフレの違い
  • 為替リスクの存在
  • 過去は結果でしかない

ひとつずつ説明していきます。

ある程度の下振れも考慮

 

投資の期待リターンって4%未満しかないってことですか?

ツイッターでもこの話はちょくちょくしているので、たまにこういう質問が届きますが、そういうことではないです!

私も株式投資の期待リターンは保守的に見ても7%くらいはあるだろうなとは思っています。

しかし、それは期待値での話です。

投資のリターンは振れ幅があるので期待値で7%といっても、20%上昇するときもあれば、▲10%と減ってしまうときもあります。単年ではなく、数年、数十年という長期でみるとある程度は期待値に収束するとはいっても振れ幅は残ります。

その振れ幅を考慮すると期待リターン7%に対して、最低4%はけっこう甘々なんですよね。
どれくらい甘いかというと20%~30%は年利4%を下回るくらいです。

30%の確率で生活が破綻すると考えると、流石にそこまでの冒険はできなくないですか?🤣

為替リスクの存在

米国人が投資をする場合は最大の投資先は母国である米国になるため、為替リスクをとる必要はあまりありません。

しかし、われわれ日本人が投資しようとする場合は、米国を中心とした海外になります。ひと昔前と違って、海外資産に簡単にアクセスできるようになったため、国内資産だけで資産運用を考えている人は少数派になっていることでしょう。

で、海外資産に投資した場合は為替リスクも一緒にとることになります。

長期で投資する場合は為替リスクはそこまで考慮する必要はないと言いましたが、それでも為替リスクによって全体のリスクは上昇することになります。

過去は結果でしかない

この話に限らず、過去上手くいったからといってこれからも上手くいくとは限りません。

将来は分からないため、過去に照らし合わせて考えることももちろん大事ですが、当時と今の違いを認識することも大事かと思います。

過去は結果でしかありません。

もしかしたらたまたま上手くいっただけかもしれませんし、構造が変化していることもあると思います😀

日本では何%ルールを適応すればいいのか?

 

じゃあ、日本人にとって資産所得のみでFIREしようとすると年利何くらいを見込めばいいの?

さきほど、「日本と米国のインフレの違い」でみたように過去の米国における年利4%達成は、今の日本における1%程度なので、多少無理をするとしても2%未満で考えたほうが現実的かと思います。

 

じゃあ、年利2%と考えても貯める資産は生活費の25倍から50倍まで増えるってこと?

そういうことになりますね…

しかし、

 

生活費の25倍を20年で貯めて50前にFIREしようと思ってたのに、生活費の50倍を貯めるなら倍の40年!
これじゃあ、ただの定年じゃん!!

こういう風には考えないでください。

確かに最初に資産の軸を作るのには時間がかかります。

しかし、だんだんと資産が大きくなるにつれて資産自体も働いてくれるようになるため資産の増加ペースは加速します!

また、生活が破綻しないようにとリターンがかなり下振れた場合を想定して年利2%といってますが、ふつうに増えていけば10年あれば倍になるし、その間も働いているとすればさらに期間は短くなります。

生活費の25倍を貯めるのに20年かかったとしても、50倍を貯めるのに25年程度で達成というのもあり得ない話ではないのです!

サイドFIRE、バリスタFIREが現実的!

また、生活に困らないくらいお金を稼いだとしても人は働きたくなるみたいです!

FIREしようと必死で資産を貯めているあなたも本当は、働きたくないというよりは、今の仕事が嫌なだけではないでしょうか?

であれば、資産からの収入を生活費の半分にし、残りの半分は好きな仕事で稼ぐ!
収入が減ってもいいのであれば、選べる仕事はかくだんに増えますし、好きな仕事であればストレスを感じることも減るはずです。

そしてこれであれば、日本においても生活費の25倍程度を貯めれば達成できそうです。

ここでも運用利回りはある程度の下振れした年利を想定しているため、ふつうに運用できれば資産は徐々に増えていき、気づけば完全FIREできる水準までお金が貯まっているということになりそうです😊

 

おそらく完全FIREを目指しながら、嫌々働く最後の5年は途轍もなく長くストレスのかかる5年になるのではないでしょうか(そして相場付きによってはもっと伸びることも)?

であれば、少し働くことが前提のサイドFIREバリスタFIREのほうが現実的で満足度の高い生活になるのではないかと思います。

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