こんにちは、やすたろ🐢です。

年齢が上がってくるに従って、“安定している高配当株(以下ファンドも含む)”の組み入れを高めたほうが良いのですか?
こういうような質問は私のところによく届きます。
しかし、ちょっと待ってください!
高配当株は本当に安定しているのでしょうか?
今回は高配当株の実態について解説していこうと思います。
配当の安定が本当の安定なのか?



配当は株価ほど変動せずほぼ一定額を保っている。なので、株価がいくら変動したとしても一定の配当を毎年受け取れるのなら問題ない。
こう考えて高い配当を狙えてしかも安定している高配当株は魅力的だと思っている人は多いのではないでしょうか?
まー、それもあながち間違いだとは断言できないところはあります。
しかし、なぜ他より高配当なのか理解していますか?
業績が安定している企業は高配当になりやすい
業績が安定している企業は高配当になりやすい
これは一見良いようにみえます。
しかし、安定しているということは、言い換えれば成長余力が乏しいとも言えます。
例えば、生活必需品セクターは高配当の代表格ですが、経済成長しているからといって、ひとりあたりのシャンプーの消費量がどんどん増えていくということはないですし、飲む水の量もそんなに変わりません。
発展途上国で国際ブランドが浸透して売り上げが伸びるということはあっても先進国ではもう同業者による決まったパイの奪い合いの状態です。
こういう成長が限られたような状況では、得た利益を設備投資してさらに売り上げを伸ばすというより配当によって株主還元するという姿勢が強くなります。
利益を得ても使い道がない。だから配当に回すことによって結果、高配当になるという仕組みです。



でも、業績が上振れしなくても、業績も配当も安定しているなら老後資金の運用にもってこいじゃないの?
確かにそういう見方もできます。
さらに、業績も配当も安定しているため、株価の変動自体も穏やかという特性もあります。
しかし、いつもリスクはリターンの源泉といっているように、ミドルリスク・ハイリターンというのはありません。
業績も配当も株価も比較的安定している生活必需品は魅力的。
そういった理由で買いが集まることで価格が上がりリターンが下がる、結果ミドルリスク・ミドルリターンとなります。
なので、安定はしている、だけどリターンはその分少な目というのが生活必需品のような安定業種の特徴になります。
リターンを落としていいのなら、ある程度キャッシュを保有しつつバランスの取れたポートフォリオを構築して同じリスクあたりのリターンを分散効果によって高めるという方法もあります。
斜陽産業も高配当になりやすい
また同様の理由で斜陽産業も構造的には高配当になりやすいセクターです。
将来の売り上げが減っていくのが見えてるのなら、設備の拡大なんかせずに如何に企業が消滅するまでに配当を多く出すのかが企業価値を決めるといっても過言ではありません。
(実際は消滅を待つというより他の成長分野に活路を見出してそちらに資金投入するという場合も多そうですが。その場合は結果、高配当じゃなくなりますね)
こういう銘柄の株価は低迷していることから時価総額比率での高配当インデックスなら影響は小さいです。しかし、配当の高さだけに注目しているファンドや自己での銘柄選択は注意する必要があるかと思います。
安定を意識して高配当を選んでいるのに、このいつまで企業が存続しているか分からない斜陽産業を選んでしまうと本末転倒ですよね?
景気敏感株も高配当になりやすい
下図は高配当の代表格であるVYM(米国高配当ETF)の2021年末にセクター別比率になります。


これだけではなにも判断できないのVOO(S&P500)と比較してみましょう。


まず、さきほど説明した生活必需品(Consumer Staples)や公益事業(Ulitlities)などは高配当の方が比率が高く、より安定業種の比率が高いといえます。
しかし、同時に金融(Financials)や資本財(Industrials)、エネルギー(Energy)や素材(Materials)といった業種の比率も高くなってます。
これらの業種は景気によって大きく業績や株価が変動するような業種です。
景気により連動するような業種を多く組み入れることは安定していると言えないですよね?
高配当は安定しているわけではない。しかし、安定していないわけでもない
これらを持って高配当株はナスダックのようなグロース株より安定していないと言いたいわけではありません!
確かに景気によって左右されやすいといった傾向もありますが、足元で懸念されてるような金利上昇によるバリュエーションの切り下がりのような局面ではグロース株より安定しているときが多いでしょう。
私が言いたいことは、高配当だから安定していると盲信すると痛い目みることもあるよ、ということです。
高配当といっても高配当の理由は様々です。
配当利回り5%を20年保有すれば、どんなに株価が下がっても勝ち確という考えもありますが、それよりも私はバランスよくポートフォリオを構成しリターンは配当と成長の両方を考慮して考えたほうがいいのではないかと思います😊
以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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